こんにちは、タカヒサです。
今回は、2件目に購入した「地方築古アパート」について、これまでの運営実績について公開します。
購入の経緯
2件目を購入したのは、転職して間もない頃でした。前の会社で上司に勧められて区分マンションを買い、正直「不動産はもう二度とやるまい」と思っていました。ところが新しい職場で仲良くなった同僚が、不動産投資を趣味として楽しそうに語ってくれたのです。彼は私に勧めたわけではなく、ただ自分がどれだけ楽しいかを話していただけでした。
その同僚が取り組んでいたのは、私が知っていた区分マンションではなく「築古の地方アパート一棟」。彼の話を聞くうちに興味を持ち、楽待や健美屋などの有名サイトで物件を眺めながら気になった不動産会社にいくつか問い合わせてみました。
最初は半信半疑で、『また失敗するのでは』という不安もありました。それでも話を聞くうちに興味が強まり、行動してみることに。結果として、その不動産会社と縁ができ、このアパートを購入することになりました。
ちなみにその不動産会社はもうありません(夜逃げしたという噂です)。
物件概要
- 購入時期:2019年前(区分マンション購入の6年後)
- 所在地:静岡県
- 種別:木造アパート一棟
- 戸数:8戸(ファミリー向け)
- 築年数:約25年(購入当時)
- 想定年間収入:約495万円
- 表面利回り(購入時):約12%
購入額と融資条件
- 購入価格:約4,100万円
- 自己資金:約10万円
- 借入額:約4,500万円(諸経費を含むオーバーローン)
- 融資①:信販系A 約3,900万円/20年/金利3.5%
- 融資②:信販系B 約600万円/15年/金利5.5%
運営実績(現在までの状況)
現時点の残債:約3,500万円
- 家賃収入(満室時):約42万円/月
- 家賃収入(実際):約32〜42万円/月
- ローン返済:約27万円/月(2社合わせて)
- 管理費・修繕費:約4〜8万円/月(退去状況によって大きく変わる)
- 税金(固定資産税/所得税など):月割で約3-7万円(所得税は、他の収入や退去の修繕費などにより大きく変わる)
キャッシュフロー:プラス8万円〜マイナス10万円/月
区分マンションと比べると大きくプラスのキャッシュフローが出ることもあり、ただし修繕費や税金はまとまってドカッと出ていくため、日々の数字だけ見ると一見プラスに見えても実際には一気に持っていかれる感覚があります。
実際にはキャッシュフローはマイナスと見ておいた方が安全ですが、ローン期間が比較的短いので、あと5年から10年耐えれば『いつ売ってもよい』という状況に近づくと考えており、気持ちは楽です。
「収益不動産を持っている」という実感を初めて得ました。
課題・気づき
- 空室リスク:入居付けに時間がかかることも多く、地方の弱点を実感。ただし近隣には競合となる建物が少なく、立地環境に助けられている面もある。客付けは決まるときはすぐ決まる一方、決まらないときは数ヶ月から1年ほど空室が続くこともある。そのため、常に満室を前提にせず『基本は満室ではない』と覚悟して運営する方が安心できる。
- 修繕コスト:退去のたびに原状回復や設備交換が発生し、50万円以上の支出になることも。さらに、今後は屋根や外壁、防水といった大規模修繕が数百万円単位で必要になる可能性が高く、長期的な修繕計画を見据える必要がある。
- 管理会社との調整:幸い非常に良い管理会社と契約できており、客付け力も高く運営面では大きく助けられている。ただし収支計算や修繕見積もりは物件を良くする方向にやや高めに提示されることが多く、これを交渉で削るかどうかは悩みどころ。とはいえ入居付けの安定力を考えると、ある程度は必要経費として割り切っている。
- 出口戦略:築年数が古いため売却益は見込みづらく、基本は「長期保有でキャッシュを得る」方針。ただし土地評価が約3,800万円ほどあるため、最悪の場合は更地にして売却できる余地がある(更地化には約1,000万円のコストが必要)。このため、残債が2,800万円以下になれば元本割れせず『負けない投資』となる見通し。
まとめ
区分マンションと比較すると、築古アパートは運営に手間がかかる一方で、キャッシュフローは大きく改善しました。
「手残りが毎月積み上がる」という安心感は、不動産投資を続ける上で非常に大きいです。
教訓としては:
- 高利回りでも空室と修繕は避けられない
- 管理を任せきりにしない姿勢が必要
- 出口を売却ではなく保有に置いた戦略もよい
1件目(区分)と2件目(アパート)の両方を経験したことで、それぞれのメリット・デメリットを肌で理解できました。
次はこの比較についても記事にまとめたいと思います。